離島PCR検査と西之島

減ったり増えたり上がったり下がったりで日々一喜一憂…そんなシーソーゲームの渦中で暮らしていかなくてはいけない今日この頃、いかがお過ごしでしょうか?
本来ならば夏季休暇を利用して、小笠原に限らず日本各地もしくは海外へ旅行に出掛ける予定だった方も多いことでしょう。
日ごろの疲れを癒やすためにのんびり羽を伸ばしに行くこともままならない世の中だけれど、だからと言って嘆いてばかりはいられません。

以前に増して余計に行き辛くなってしまった憧れの遠い遠い南の島 小笠原。

そう、たぶんお忘れかと思いますがここは小笠原の情報を提供するサイトなんです!
ならば、なんちゃって情報サイトらしく”今”が旬の話題を取り上げてみたいと思いますよ、旬を逃さぬ二本立てで!!

(だいぶ遅めの情報だけどな…)

 

□ 離島の新たな新型コロナウィルス対策

まずはこちらをご覧下さい。
おがさわら丸を運営する小笠原海運からのお知らせです。

 

小笠原海運お知らせページ

 

これによると、8月11日の竹芝出港便より原則としておがさわら丸乗船客全員を対象に新型コロナウィルスのPCR検査を執り行うことが決定したようです。
出港当日の8時30分から乗船券への交換受け付けおよび検査開始となり、原則として乗船客全員が検査対象となりPCR検査は無料で行われます
検査を受ける上で一つ注意が必要で、唾液を使った検査になるために検査前2時間は水以外の飲食は禁止、歯磨きも禁止、喫煙も禁止となりますのでご注意を!

また現在、おがさわら丸の乗船客数は定員の約半分に減らしての運航となっているので、検査人数はおおよそ400名弱になります。
そのため乗船受付の開始時間が通常よりも一時間早くなり、8時30分から受付を開始、そのままの流れでPCR検査を受けることになるようです。
遠方から来られる方や時間ギリギリの到着になってしまう方は乗船券の引き換えだけではなく検査も必要になるのでお時間にご注意願います。

そして、出港前に受けた検査結果は翌日 父島に到着するまでに知らされるとのことで、
陽性の場合には航行中は船内で隔離、父島到着後隔離施設に収容もしくは自衛隊機を使っての内地への移送処置になるようです。
(おが丸船内での隔離、島に到着後の対応など、症状によっても対応が変わると思いますし、詳細は陽性患者が出てみないことには分からないのが正直なところでしょう。)

このおがさわら丸乗船客に対してのPCR検査は、離島の新型コロナウィルス対策として初の試みである「乗船客全員を対象にしたPCR検査」とあって、TVやネットニュースでも大きく取り上げられていましたね。
飛行機で手軽に行けてしまう沖縄でも、半日で到着してしまう距離にある離島でもできないことが移動時間が一日かかる小笠原だからこそ?さらには多すぎないある程度上限が分かっているからこそ?の乗船客全員に対する検査が可能となったのでしょうか。
おがさわら丸の実例が上手くいって、各地の離島へ渡る際も簡単に検査ができるようになれば行く方も迎える方もより安心できると思うのですが、現実はなかなか難しいのかの知れません。。。

おが丸出港間際の検査が行われることで、少なくとも小笠原旅行の最中に自分自身が「コロナウィルスに感染している」もしくは「感染させてしまうかもしれない」と言う不安は和らぎ心置きなく旅行が楽しめるようになるはずです。
(もちろん、善くも悪くも検査結果が100%信頼できるものではないので、島内においても最低限の感染予防措置は必要不可欠です!)

初めて行われた8月11日の竹芝出港便での検査結果では陽性者は確認できなかったとのことでした。

おがさわら丸出港前の検査結果は小笠原村のサイトのこちらのページに結果が掲載されるようなのでぜひ確認してみて下さい。
(この表を見ると、60名強の方がPCR検査を受けていないことになるのですが、到着が遅れて検査の時間がなかった方もいらっしゃったようですし、
それ以外では検査拒否をした方がいたのかその理由は明確になっていないので分かりません。
…極力全員が検査をしてくれないと意味がなくなってしまうと思うんですがね。)

 

東京港竹芝桟橋における乗船者に対するPCR検査結果について

 

この出港直前のPCR検査は、いつまで行うのか明言はされていませんが少なくとも感染拡大が懸念されている間は続けて行くことでしょう。
数ヶ月後、一年後、もしくは…少しでも早く検査をせずにおがさわら丸に乗船できる世の中に戻って欲しく思います。

 

 

□ 西之島成長中♪

 

まだ幼少期の西之島

こちらは2016年に行われた「西之島ツアー」の際に撮影した当時の西之島です。

 

お次の話題は、ここ一年ほど断続的に話題になっていてTVニュースでも度々取り上げられている西之島(にしのしま)の話題です。

西之島とは、父島の西北西130kmに位置する無人島で過去に幾度か火山活動を経て現在も島の面積を拡大させている火山島です。
東京都の西之島と言えば、かつてはカツオドリの繁殖地として有名でしたがここ最近は噴火と島の拡大がもっぱらの話題となっている新島ですね。

 

幼少期の西之島2

こちらも2016年のツアーにて撮影した西之島ですが、現在はこの時の倍くらいの面積と高さになっているのでしょうか?

 

今回はその西之島の噴火に関しての情報です。
噴火活動の活発化により年々島の面積の拡大が話題になっているとは先述の通りですが、この噴火活動の活発化によりここ最近は”噴煙”の影響も見過ごせないものとなってきているので今回は西之島の噴煙に関して取り上げてみようと思います。

過去噴火活動が活発化していた頃から、父島にいてもどこかから地鳴りのような音が聞こえてくる(西之島の噴火音?)とか日没後ウェザーステーションから薄っすらと赤い色が見えていた(噴火口からの噴火か噴火したマグマ?)とかの話はありましたが、西之島の噴煙が遥か上空まで達し、その噴煙が風に乗って流れてきて父島上空にも到達したために最近では父島では澄んだ青い空が見られなくなったと言われています。

これは西之島からの噴煙が風に乗って父島の周辺まで届いているからだと思われ、また8月になるまでは比較的荒れた天候(台風など)もなく強風により噴煙が流されることがなかった影響だと思われます。
(8月初旬に小笠原諸島近海に発生した台風の影響により、台風が過ぎた後は噴煙による霞はなくなって青空が見られたとの話もありました。)また、この噴煙は沖縄や九州地方、果ては台湾へも流れているとのことでPM2.5と同様、ぜんそくなどの呼吸器疾患をお持ちの方は特に注意が必要とのことでした。

こちらは気象衛星ひまわりのリアルタイム画像が見られるサイトからの一枚ですが、明らかに白い雲とは違う茶色い煙が出ているのが分かりますね。

 

気象衛星ひまわりの画像

気象衛星ひまわり8号リアルタイムからの画像…赤い四角で囲まれているのが小笠原諸島近海です、西之島は分かりますか?

 

 

西之島の噴煙

上記の画像の赤い四角部分を拡大したもの…左下に向かって茶色い筋が流れているのが見えますでしょうか?

 

これだけもくもくと噴煙が立ち上っているわけですから、気象条件が良ければ父島からでも水平線の先に西之島の噴煙を見ることができるそうです。
でも、その噴煙が流れてきて父島周辺の空を霞ませているのはびっくりですね、特に車のボンネットが汚れているなどの報告は今のところは聞いていません。
個人的には噴煙が見られるのは珍しいから嬉しいことだけれど、小笠原の青空が霞んでしまうのはとても残念。
(多少の天然の日焼け対策にはなるのかも知れませんが…苦笑)

今年は長梅雨だった影響で7月の台風発生数がゼロだったと記録されたそうですが、8月に入ってからは一転立て続けに台風の発生が確認されているそうです。
幸いにも小笠原に直撃もしくは大きな影響を及ぼすような台風はできていないようですが、この西之島の噴煙と台風の関係は善くも悪くも小笠原の生活と観光には大きな影響をもたらしそうなので今後も注視していたいと思います。

なお、西之島の噴火活動および島の拡大に関してもっと詳細な情報が欲しいと言う方には海上保安庁の海域火山データベース・西之島のページを閲覧してみて下さい。
西之島マニアならずとも垂涎の情報の宝庫です!チェケラッチョ!!

こちらは大自然が織り成す営みの一部とは言え、いつまで続くのか収束するのか拡大して行くのか全く見通しがつかないので黙って様子を見守るしかできなさそうですね。
このまま噴火が続いて島の面積も拡大し続けていれば、もしかしたら数十年後には噴火活動も納まり無人島ではなく新たな有人島になっている可能性もありますからね!

そしたらそれはそれで楽しみかもっ♪