小笠原について

「オガサワラ?
…どこかで聞いたことあるけど全然知らな〜い。」
そんなあなたにも分かってもらえますよう、
ここでは小笠原についてのあれこれを簡単にご紹介♪

 

◼︎小笠原とは?

 

東京のほぼ真南に約1000kmの場所に位置する島。
大小幾つかの島々をあわせて「小笠原諸島」と呼び、硫黄島や沖ノ鳥島などもこの小笠原諸島に含まれます。

その中で、人が住む島が「父島(ちちじま)」と「母島(ははじま)」でありどちらも東京都に属しています
この小笠原諸島・父島へは定期船「おがさわら丸」が唯一の交通手段となり、
母島へ行くには父島からさらに定期船「ははじま丸」に乗り換えをしないと行くことができません。

東京→父島間の航行時間はきっかり24時間。
父島→母島間は約2時間。

この小笠原諸島は「日本で最も行きにくい場所」「海外へ行くよりも遠い場所」などとよく揶揄されるものの、
手付かずの自然が残っていることから「東洋のガラパゴス」とも言われ
ここでしか見られない美しい海・山の景色を見ることができます。

戦時中には米軍の占領下にあった経緯のある島で2018年には日本返還50周年の節目を迎えました。
父島と母島は旧日本軍により硫黄島に次ぐ前線拠点となっていたこともあり、
戦時中の基地や居住区、当時使われていた施設や備品がそのままの形で戦跡として残っているのもこの島の特徴の一つです。

2011年には「世界自然遺産」のも認定され現在は観光が島の主要産業になっています。
観光以外では、漁業や農業も行われているものの相対的にはわずかです。
主要の観光業は「世界自然遺産」認定後の一時期的なブームがあり、現在はそのピークを越えたもののリピーターを含め毎年多くの観光客がこの島を訪れています。
また、行きにくい場所ゆえに観光客(外国人観光客も含まれる)が多すぎないこと、
また限られた人数しか受け入れられないことから過度のリゾート地化がされていないのも大きな特徴です。

 

「小笠原諸島」をGoogleマップで見る

 

◼︎小笠原の気候

 

小笠原は亜熱帯地域に属するため、年間を通じて温暖な気候です。
小笠原にも四季は季節はありますが、内地(本州)ほどの目に見えるような大きな変化はありません。

真冬とされる時期でも最低気温が15℃前後までしか下がらず、また夏場は最高気温が33℃前後までしか上がりません。
真夏の内地(本州)はこのところ36℃越えなどよく聞くことなので、
小笠原では33℃前後までしか気温が上がらないことを考えると「避暑地」としても楽しめる場所です。

 

ザックリと小笠原の季節を区切るとすると、

 

:12月〜3月
(朝晩が冷え込みが気になる時期。
日中はTシャツ一枚で過ごせる気温ではあるが服装には寒さ対策が必要。
真冬には最低気温は13℃に下がることも。)


:3月〜5月
(だんだんと日中の気温が上がってきて暑くなってくる時期。
日射しがあると暑く感じるほどでTシャツ一枚で充分過ごせるようになる。
最低気温は20℃前後になるので5月には夏を感じられる気候に。)

:5月〜7月
(内地同様、小笠原にも「梅雨」がありしとしとと雨が続く。
時期はだいたい6月から7月にかけてのこと…この梅雨が明けると一気に真夏へ。
雨が降ると気温が下がるのでTシャツ一枚では肌寒く感じることもある。
それでも、最低気温は25℃前後へ推移。)

真夏:7月〜9月
(海の色、空の色、島の緑の色が一気に夏仕様へ変わる時期。
日射しが強烈に強くなり最高気温が33℃前後に安定。
ただし、台風到来のシーズンでもある!
そうは言っても、ここ数年はこの時期以外にも台風が発生することがしばしばあって、
最悪ではおがさわら丸が欠航または運航スケジュール変更…なんてことも。)

:9月〜10月
(まだまだ続く台風シーズン!
気温より2ヶ月遅れで海水温に変化が現れるのでこの時期はマリンスポーツには最適!
ただし、雨や台風が過ぎる度に島の景色が秋に移ろう時期。
まだまだ暑いが朝晩が涼しく感じ始める頃。)

:10月〜12月
(島の景色、日射し、空の色、海の色が秋めきだんだんと最高気温が下がってくる時期。
日射しの強さも弱まり北風が吹き始めて朝晩には肌寒さを感じ始める頃。
最低気温は20℃以下に推移。
11月〜12月にかけては観光客は減少傾向にあるので島は少しだけ静かに感じられるかも?)

 

体感として夏になると日中は強力な日射しと気温で汗が流れるほど暑くなるものの、
夕方になると涼しくなり夜には快適に過ごせます。

冬は太陽が出ていれば暖かいけれど日射しがないと肌寒さを感じます。
冬を過ごすには暖かい日はTシャツ一枚で過ごせるが、朝晩の冷え込みはそれなりにきついので長袖も必須で場合によっては薄手のダウンジャケットがあってもいいくらい。

時季・気候による観光客の数の推移は、真夏の時期の夏休みシーズンになると大学生のダイビングサークルなどで賑わい、
春の卒業シーズン(2月〜3月末)には卒業旅行の学生さんや就職前の長旅で小笠原を訪れる人がとても多いです。

また、ホエールウォッチング目当ての観光客は12月〜4月・5月にかけて
(ホエールウォッチングの最盛期は2月〜3月)来島する方が多い。

逆に真夏では暑すぎるとの理由でトレッキングがお目当ての方にとっては気温の低い時期(12月〜3月頃など)を狙って行くと暑さを気にせずに快適にトレッキングができるでしょう。

 

◼︎小笠原で有名なものは?

「世界自然遺産」に認定されるほどの島ですから、この島にしかいない・ない固有種の宝庫であるには違いありません。
小笠原の固有種である動植物…なんて言い出したらキリがないのでここでは割愛。
(そもそも動植物にはそれほど詳しくないので説明できません、あしからず。苦笑)

ここでは小笠原と言えば…の「有名なもの」ザックリとご紹介♪

ドルフィンスイム
小笠原では島の周辺に野生のイルカが住み着いているので、年間を通して見ることができます。
また、それだけでなく「野生のイルカと一緒に泳ぐことができる」のが大きな特徴。
紹介記事はこちら!

ホエールウォッチング
毎年12月頃〜5月頃までの期間、ザトウクジラが小笠原周辺に帰って来ます。
その小笠原周辺に停滞する期間限定のアクティビティがホエールウォッチングで、一般的にはツアー船から海面に出るザトウクジラのブロウ(潮吹き)や海中に潜り込む際に見られるテール(尻尾)を見ることを言います。また、運が良ければ海面からジャンプしたりテールやヒレで海面を叩いたりするアクションが見られます。
ザトウクジラは期間限定ですが「マッコウ海域」と呼ばれる場所が島からだいぶ離れた場所にあり、そこでは年間を通じてマッコウクジラを見ることができます。ただし、こちらも運しだいなので行けば必ず見られるものではないのです。
紹介記事はこちら!

スキューバダイビング
こちらも年間を通じて島で楽しめるアクティビティの一つ。
「ボニンブルー」と言われる小笠原ならではの海の碧さの中に潜り、小笠原でしか見られない魚が見られるのが特徴です。中でも、ユウゼンなど日本では数カ所でしか見ることができない魚もいることもあり小笠原でのダイビングに憧れるダイバーさんは多いようです。

見送り船・見送りダイブ
父島を出港して行くおがさわら丸に併走するように島のツアー船が付いてきて、内地へ帰るおがさわら丸の乗客を見送る様子が小笠原の名物になっています。
このツアー船のことを「見送り船」と言い、そのツアー船から最後海に飛び込んで派手に別れを惜しむパフォーマンスのことを「見送りダイブ」と言います。
何隻もの見送り船がおがさわら丸に併走する様子はとてもとても感動的、そのあとの見送りダイブは歓声が上がるほど盛り上がるので一見の価値あり!!
※ ここ最近の傾向として、安全を考慮して見送りダイブをする見送り船が減ってきているようで、一部のダイビング船のみが行うくらいになってしまったようです。
紹介記事はこちら!

島寿司
一般的な握り寿司と違ってネタが醤油漬けになっているのが特徴。
八丈島から小笠原に伝わったとされている。

亀料理
日本で唯一(?)アオウミガメの料理が食べられるのがこの小笠原。
ウミガメ漁期間の関係で、亀料理の旬は4月頃から。
旬以外の期間は冷凍ものを食べることになるので、食通に言わせると亀料理は旬に食べなきゃ美味しくないらしい。
この亀料理はいくつも種類はあり、食べた感想が好きか嫌いかの真っ二つに分かれるので機会があればぜひ食べてみましょう♪

小笠原の塩(おがしお)
小笠原の海水を使って作った塩。
一般的な塩に比べたら少々お高いものではあるが、そのお味は料理人を唸らせるほどの美味しさだとか。
普通におみやげもの屋で売っているので味にうるさいあの人へのお土産としてお薦めです。

はちみつ
小笠原で養蜂を営む農家から不定期で出荷される小笠原のはちみつ。
こちらも絶品との評判なので、おみやげもの屋で見かけた際はお一つ購入しておくことをお薦めします。
でも、やっぱりお高いです。笑

島唐辛子
こちらもおがしお、はちみつ同様、小笠原で作られた唐辛子。
辛いもの好きを唸らせるほど「とても辛い」らしいので、辛いもの好きなあの人へのおみやげならこれで決まりですね!

 

◼︎小笠原での宿泊について

小笠原ではテントなどを使った いわゆる“野宿”は禁止されています
小笠原行きを希望したら、まず一番に用意しなければいけないもののの一つが「宿泊先」です。

繁忙期には人気の宿or安い宿から順に予約で埋まって行きますので、旅行の日程が決まったらおがさわら丸のチケットと一緒に「宿」のご予約を忘れずに!!
現在は、宿泊施設が増えたことによって選択肢は多くあります。
ゲストハウス的な宿、ドミトリーの宿、リゾート気分が味わえるちょっと贅沢なお宿まで、あなたのお好みによって選んでみて下さい。

 

◼︎小笠原への唯一の交通手段

定期船「おがさわら丸」が小笠原へ渡るための唯一の交通手段です。
東京→父島間を24時間かけて移動する=24時間も船の中!
24時間も海の上!?…と普通に考えたらちょっと他ではありえない交通手段ですね。

そんなおがさわら丸の通常スケジュールは、東京・竹芝桟橋出港後船内泊一日(移動日)、
父島に三日滞在ののち四日目に父島を出港して東京・竹芝桟橋に戻るまでにまた船内泊一日(移動日)
…というのが一般的でたいていの観光の方はこの「一航海(竹芝→父島→竹芝)」と言われるスケジュールで島に訪れることになります。
(繁忙期の”着発便”や極まれに変則的な滞在日数が組まれる時もあるのでご注意を!)

 

東京・竹芝桟橋を出港するのが、午前11時。

父島・二見港を出港するのが、午後3時となっています。

(繁忙期にあるおがさわら丸着発スケジュール時のみ二見港出港が午後3時30分となります。)

船内の設備やおがさわら丸についての詳細は、別ページおがさわら丸での船旅をご覧下さい♪

 

◼︎小笠原のアクテビティ

小笠原のアクティビティの大半は自然に関わるもので、年間を通して楽しめるドルフィンスイムやホエールウォッチング、スキューバダイビングなどの海のアクティビティ。
島の地形を生かしたトレッキングツアー、小笠原で星空を観測するツアー、小笠原でしか見ることができない希少価値のある植物や生物、もしくは地形、地質などを見るツアーなどなど小笠原の大自然を堪能するための多種多様なツアーがあります。

 

◼︎小笠原での生活

・お買い物に関して。
小笠原にはコンビニエンスストアがありません。
24時間営業のお店もありません。

島には生鮮食料品を売るスーパーが二軒(生協とスーパー小祝)、
22時まで営業しているお店が一軒(佐藤商店)、
その他に町の中心から外れた場所に一軒(美津ストア)あるくらいで、島民はほぼこの四軒で食生活を賄っています。

現在はネット通販が流通の主流となっているとは言え食料品・生鮮品を買うにはこれらのお店に頼るしかありません。
ちなみに、どの商品も販売価格は「(ほぼ)定価売り」です。
だって、それでも売れるんですもの・それでも買わなきゃいけないんですもの!笑

この島への物資の輸送は観光客が乗るのと同じおがさわら丸が大半で、
燃料や資源などは輸送船「共勝丸」によって島に運ばれます。

おがさわら丸が島に入港したその日の午後からはスーパーは買い物客でごった返します。
これもある意味小笠原名物と言える光景なので、お時間のある方はちょっと覗いてみるのもいいかも知れませんね。
(コロナ禍における現状は、蜜を避けるために島民も時間をずらして買い物をするようになったせいか以前ほどの集中的混雑は減ったように感じます。)

なお、ジュース類・酒類などはいつ買いに行っても売り切れと言うことはありませんが、
牛乳やヨーグルトなどの乳製品・野菜・パンなど鮮度が必要な食料から順に売り切れて行くので
「俺(私)は牛乳がないと生きて行けない!」「あたし(おれ)はヨーグルトを食べられないなんて無理!」
と言う人はおがさわら丸入港後すぐに買い物に行くべきでしょう!
(だいたい入港日の14時以降から順に入荷した商品が陳列され始めます)
油断していると安い牛乳から順に売り切れて最終的には340円もする牛乳を買わなきゃ行けない羽目になります!!(笑)

・飲食店に関して。
観光業で成り立つ島なので島内には飲食店が多数あります。
それぞれ特徴ある料理を提供してくれますが、たいてい島の食材を使った料理を提供してくれるはず。

小笠原の郷土料理とも言える「亀料理」
「ダンプレン(戦前にイギリスから伝わったとされる西洋風すいとんのこと)「島寿司」を提供してくれる店も何軒かあるので、
どうしても食べてみたい!という方は事前にチェックしてみてはいかがでしょうか?

 

 

 

(最終更新日:2023年1月)